カジルライターの小百合です。近頃よく聞くようになった「フードロス」というワード。皆さんは、日々の食材ロスについて考えたことはありますか?

SDGs(エス・ディー・ジーズ/Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)が目標とするゴールにも、「持続可能な消費と生産(つくる責任、つかう責任)」が謳われています。

私たちのまわりにはどんなフードロスがあり、どんなことをすればフードロスを減らせるのでしょうか。管理栄養士の小澤嘉菜さんに伺いました。

意外と知らない?管理栄養士ってこんな資格

小百合小澤さん、こんにちは♪よろしくお願いします!

小澤よろしくお願いします~!

管理栄養士 小澤嘉菜さん Instagram: @ozawa_kana17

 

小百合小澤さんは栃木出身なんですか?

小澤生まれも育ちも栃木県塩谷町で、今も塩谷町に住んでいます。

小百合生粋の栃木人ですね!小澤さんはたくさん資格を持っていると聞きました!

小澤管理栄養士、食品衛生管理者、幼児食アドバイザー、離乳食アドバイザーを持っています。

小百合「管理栄養士」って、どんな資格ですか?学校給食の献立を考えてくれていた人は「栄養士」だったような……。

小澤はい、皆さんが思い浮かべるのは「栄養士」ですね。栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、主に健康な方を対象に栄養指導や給食の運営ができます。

一方、私たち「管理栄養士」は、厚生労働大臣の免許を受けた「国家資格」。健康な方はもちろん、病気の方、高齢で食事がとりづらい方にも栄養指導ができます。専門的な知識と技術をもって、一人一人に合った栄養指導、給食管理、栄養管理ができるんですよ。

小百合管理栄養士って、仕事の幅が広いんですね!

小澤さん作のパエリアなど。彩り豊か!

 

食の悩みをきっかけに管理栄養士の道へ

小百合小澤さんは、なぜ管理栄養士になったのですか?

小澤高校生のとき陸上部だったのですが、当時とっても痩せていて。とにかく「減量しなきゃ」と、毎日の食事が辛かったんです。今考えると、アレは摂食障害でしたね。

一方、弟は野球をやっていたのですが、体が小さかったので、まわりから「食べろ、食べろ」と言われていて。無理して吐くほど食べていて、見ている私も辛くて。

「私たちのこの食事って、どうにか改善できないのかな?」と思っていたんです。

小百合そうでしたか……。

小澤ちょうどその頃、私が椎間板ヘルニアで入院したので、食事について看護師さんに相談したんです。そうしたら、院内の管理栄養士さんに会わせて下さって。生まれて初めて食事のアドバイスを受けました。

教えてもらった通りに食事に気を付けてみたら、調子が良くなってきて。

「これなら、自分のことも弟のことも改善できそう!もっと栄養のことを勉強してみたい!」と思いました。

私自身ずっとスポーツをやっていたし、食べることもすごく好きなので、管理栄養士になれば食事面からアスリートを支えることもできそうだなと。

小澤さんは、現在も現役のスキー選手!ゼッケン7が小澤さん。

 

小百合それで、栄養学の道に進んだんですね。

小澤大学の食物栄養学科で4年間勉強して、資格を取得しました。これまで社会福祉施設や病院に勤務して、今に至ります。

小百合小澤さん、いつから「カジル」と交流があるんですか?

小澤2年前です。管理栄養士の先輩の紹介で、カジルのコバタクさん(※カジルを運営する人)と出会ったことが始まりです。

それからは、カジルの取材に協力させてもらったり、カジリストの農家さんと協働したりしています。これからも、皆さんと一緒に面白いことをしていきたいです♪

小澤さん作のオニオンブレッド

 

フードロスはYOUTUBEにも……

小百合小澤さんが日頃感じているフードロスって、ありますか?

小澤まず、一般家庭での「食材の切り方」ですね。

福祉施設や病院などでは、限られた食材費の中でなるべく良い料理を作ろうとするので、野菜のヘタのギリギリまで使います。でも、一般家庭では、食べられる部分も大胆にカットしていることが多いですね。

料理系のYOUTUBEも同じで、「あれ、そこまで切っちゃう?そこ食べられるよ!」って思いながら見ています(笑)。

食材によっては、ヘタの近くや皮に栄養が多く含まれているので、ぜひ可食部は全て食べて欲しいですね。

ナスのヘタは、可食部ギリギリでカットしよう

 

仕事で病院や老人ホームに行っても、残飯の廃棄量にフードロスを感じます。大きなバケツいっぱいになるくらいの量を捨てているので。

発展途上国の食糧難を見ると、「日本の廃棄食材がこの国に回ったら、どれだけの人を救えるんだろう」って思いますね……。

小百合うーん、フードロスは世界的な問題ですね。

 

【フードロス対策①】ズボラになる(?)

小百合日頃どんなことをすれば、フードロスが防げると思いますか?

小澤大きく分けて3つあります。

1つ目は、野菜は皮も葉もまるごと食べることです。

ニンジンや大根は皮も葉も食べられるのに、捨ててしまう家庭が多いですよね。ニンジンの皮にはベータカロテンがいっぱい入っているし、大根の皮にはビタミンがいっぱい入っていて、人間の体にとっては全部が取り入れたい栄養素なんです。

私は、ご近所さんからもらったニンジン、大根、カブなどは、葉から皮までまるごと食べています。皮をむく手間も省けて、ズボラな私にはピッタリです(笑)。

「フードロス対策だ!」と意気込むと大変なので、「皮むくの面倒くさいな~、まるごと食べちゃお!」くらいの気楽な気持ちでやってみると良いですね♪

小百合なるほど♪ニンジンや大根以外にも、まるごと使える例はありますか?

小澤ピーマンです!ピーマンって、中の種も綿(わた)も食べられるのを知っていますか?プチプチして美味しいんですよ。

洗って、爪楊枝で数ヵ所穴を空けて、出汁と唐辛子でまるごと煮れば、簡単で美味しいおつまみになります♪

小澤さん作「まるごとピーマンの出汁煮」。

 

種や綿にも栄養が多く含まれていて、中でも「ピラジン」という栄養素は皮の10 倍も含まれているんです。

▼ピーマンの栄養素

【皮】
 ビタミン C、βカロテン、食物繊維、カリウム、ビタミン E、ビタミン P、 ビタミン B1 、ビタミン B2、鉄分、カルシウム、ポリフェノール

【種】
 ビタミン C、ビタミン A、ビタミン B 群、カリウム、ピラジン

【綿】
 カリウム、ピラジン

小百合おお~!早速今夜のつまみに作ります(笑)。

小澤ぜひ♪そうそう、オススメの皮の活用法が2つあります。

まずトマト。トマトの皮を湯むきしたときは、皮を捨てずにクッキングシートの上に置いて、オーブンでパリパリに焼いてください。粉々にしてバジルや塩と混ぜれば、美味しいソルトのできあがり!チキンにかけると美味しいですよ。

2つ目はみかん。皮の水分を飛ばして辛い七味に混ぜれば、風味豊かでマイルドな七味になります。

小百合そんな活用法が!ちなみに私、皮についている農薬が気になるのですが……。

小澤柑橘類の防カビ材は、強いアルコール(焼酎やウイスキー)をキッチンペーパーにつけて、皮を良く拭いてから水で洗えば、スッキリ取れます!私はお酒にレモンの輪切りを皮ごと入れるのですが、そうやって除去していますよ。

トマトやきゅうり、葉物野菜は、重曹に30秒くらいつけて洗ってください。1分以上つけるとビタミンが溶け出してしまう恐れがあるので、30秒がベスト!

最後は流水でしっかり洗い流してください。

小澤さん作のスイスチャードおにぎり。
小澤さん作のスイスチャードおにぎり。

 

【フードロス対策②】週の献立を考えて買い物に行く

小澤2つ目は、一週間分の献立を考えてから買い物に行くことです。

3食分考えなくても、夕食分だけでもOK。必要な食材が分かっていれば「安いから買ったけれど結局捨てた」が無くなり、買いすぎによるロスを減らせます。

献立を立てることは、体にも良いんですよ。無駄に作り過ぎて食べ過ぎることがないので、肥満や病気の予防にもなります。

小百合確かに……!

小澤私が栄養指導をしてきた糖尿病の方々も、献立を考えて食事するようになった人は、数値が穏やかになっているように見えました。メタボの方も同様で、少しずつ改善されていましたね。

小澤さん作の食卓。ごぼうもキュウリも皮まで美味しく調理。
小澤さん作の食卓。ごぼうもキュウリも皮まで美味しく調理。

 

【フードロス対策③】まとめ買いしたらすぐに下ごしらえする

小澤3つ目は、大容量のお肉を買ってきたら、帰宅後すぐに下ごしらえしてしまうことです!

例えば鶏肉なら、バジル、レモン、オリーブオイルで下味をつけて、袋に入れて冷凍します。
ちょっと面倒ですが、その時だけ頑張れば後がラク。忙しいときも冷凍庫から出して焼くだけでおかずが一品完成するので、時短にもなりますよ。

小百合そうか、買い物に行ったテンションでやっちゃえば良いんですね(笑)。

小澤さん作のパスタ。野菜を無駄なく使えばボリュームもアップ。

 

フードロス対策は、世の中にも健康にもやさしい

小百合小澤さん、私、知らないことだらけでした!

小澤売っている野菜や果物は、基本的には食べられない部分はないんです。体に食材の栄養素を無駄なく取り入れる意味でも、ぜひまるごと食べてほしいですね。

フードロス対策は、世の中にも、体にも、お財布にも、みーんなにやさしい取り組みだと思います。肩肘張らず、ゆるっと始めてみてください♪

小百合私も今日から少しずつやってみます!

フードロス対策の一歩を踏み出そう!

管理栄養士の小澤さんに、フードロス対策について教えていただきました。いかがでしたか?一見ハードルが高そうでも、実は身近なところから取り組めることが分かりました。皆さんも、早速今日から意識してみてはいかがでしょうか♪小澤さん、ありがとうございました!

 

※小澤さんが過去に協力してくれた記事はこちら
1日1杯で健康美をゲット!豆乳に秘められたパワーとは。

 

 

この記事を書いた人

「住・食・人」がテーマのインタビューライター。今は埼玉県在住だが、以前栃木県に住んでいたことがあり、今でも頻繁に足を運ぶほど栃木愛が強い。趣味はトレーニング、水泳、ダイエット(再コミット中)、料理(修行中)。人とお酒が大好物。農家さんの様々な面を伝えるため、取材を通して農業について勉強中。

Instagram:@an_sayu