No29カジル特集

未来の農業を背負う農業経営科の3年生!

~ 宇都宮4Hクラブさんと宇都宮白楊高等学校の生徒さんの交流会に同行取材してきました ~

こんにちは、カジル編集部です。
今夏は日照不足で例年に比べて物足りないなと感じているカジル編集部。しかし、ここ宇都宮に溢れんばかりに熱いことがあると聞いてやってきました!

今夏一番熱い一日!

2019年7月、栃木県にある宇都宮白楊高等学校の駐車場に到着しました。朝からたくさんの農家さんがマイクロバス付近で待機しています。実は今年で5回目になる、宇都宮4Hクラブさん(宇都宮市青少年クラブ協議会)と宇都宮白楊高等学校の交流会の日なんです!若手の農家さんでつくる宇都宮4Hクラブさんと農業専攻の高校生との交流会。いったいどんなことをするのか、ワクワクしながらカジル編集部は同行取材をさせてもらいまいした。
宇都宮4Hクラブさん約20名、宇都宮白楊高等学校の農業経営科3年生40名。宇都宮4Hクラブさんと生徒さんは2班に分かれて農家圃場を視察するとのことになりました。カジル編集部も二手に分かれて取材開始です。

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宇都宮4Hクラブ、宇都宮白楊高等学校とは?

宇都宮4Hクラブ(宇都宮市青少年クラブ協議会)は、20~40代の若い農業者が中心となって組織されています。4hとは農業の改良と生活の改善に役立つ腕(Hands)を磨き、科学的に物を考えることのできる頭(Head)の訓練をし、誠実で友情に富む心(Heart)を培い、楽しく暮らし、元気で働くための健康(Health)を増進するという意味があります。
宇都宮白楊高等学校は、明治28年に創設され歴史と伝統のある総合選択制専門高校です。農業系学科の農業経営科では、栽培・飼育および農業経営に関する知識や技術を学び、農業経営者や農業に関わる仕事につくために必要な能力と態度を育んでいます。

A班(果樹・耕種)コース

1件目は、宇都宮市御幸町で梨をつくる監物梨園の監物瑛さん。

<監物梨園さんについて>
経営内容:梨(幸水、あきあかり、豊水、南水、あきづき、にっこり)
経営目標/理念:80点の生産物を目指す。地域の方の自慢になるような梨をつくる
今後の方向:農地の拡大などは図るのが難しく、今ある農地で利益をあげることを追求する

ー 視察について ー
真剣に話を聞く生徒たち。話しの内容が明確且つ論理的なため、監物さんの話はわかりやすいです。それもそのはず。監物さんは、平成31年2月に行われた「第58回全国青年農業者会議」において、全国農業青年クラブ連絡協議会会長賞「白紋羽病温水点滴処理の運用技術の確立及び施用効果の検討」を受賞している梨業界で将来有望な若手の一人なんです。農業を目指す生徒が早い段階で、志の高い農家さんから直接話しが聞けて実際に圃場も見せてもらえるなんて羨ましいかぎりです。

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〇監物梨園さん
https://kajiru.world/kajiru/kenmotsunasien

2件目は、宇都宮市中里町で主に米をつくる山口農園の杉山司さんです。

<有限会社山口農園さんについて>
経営内容:米(主食米、飼料用米、もち米、酒米)、小麦、大豆、生食用たまねぎ
経営目標/理念:「信用は財産、人は宝」の理念を掲げ、地域の農地を守ることを目標にしている
今後の方向:地域の農地を守るという目標と理念から外れないように、土地利用型農業を中心に経営

ー 視察について ー
山口農園さんでは最新のドローン、大型のトラクター、レーザーレベラーなど他の農家ではなかなか見ることができない最新機械が目白押しです。実家が米農家の生徒さんは、「土地を平らにする機械、レーザーレベラーを見たのは初めてです!」と興奮気味に話していました。農業法人として成り立っている杉山さんの話は、これからの農業経営の姿を見ることができたのではないでしょうか。

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〇山口農園さん
https://kajiru.world/kajiru/yamaguchifarm

B班(野菜・花き)コース

1件目は、宇都宮市兵庫塚でアスパラガスをつくる今泉健一さん。

<今泉さんについて>
経営内容:アスパラガス
経営目標/理念:自分が美味しいと思ったものをみんなに届けられる農業
今後の方向:健全な株を養成し広げることによって、これからのピーク(4~6年目)における収量を確保する。管理作業の効率化、省力化

ー 視察について ー
今泉さんは自分の代でハウスを建て、アスパラガスづくりを始めた農家。最近は宇都宮でもアスパラガスをつくる農家が増えてきたこともあり、生徒さんから多くの質問が飛び交っていました。特にアスパラガスをつくる初期投資の話を聞いた生徒さんたちは、想像以上の高額な金額で驚いていました。苦労も大きいですが、今泉さんがつくるアスパラガスは力強く芽を出していました。

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2件目は、宇都宮市上御田町で鉢花をつくる吉田花園の吉田裕之さん。

<吉田花園について>
経営内容:鉢花(シクラメン、アジサイ等)、米
経営目標/理念:丈夫で長持ちする花づくり。安定した収量の確保
今後の方向:省力低コストでの鉢花、水稲の栽培技術の導入。幅広い年齢層が花に興味をもってもらうための活動や品種の導入

ー 視察について ー
花をつくるだけでなく花離れが進んでいる昨今、庭先や商業施設で販売することで花を身近に触れてもらうための動きも行う吉田さん。父親がシクラメンづくりを約40年前に始め、吉田さんも4年前から花づくりをしています。生徒さんからはシクラメン栽培法についての具体的な質問もあり、生徒さんと吉田さんの農業にかける熱い情熱を見ることができました。また、メモをよくとる生徒さんが多く質問も活発で、農業を学びだいという強い意志を感じました。

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吉田花園さん
https://kajiru.world/kajiru/yoshida-kaen

あっという間に圃場見学が終え、二手に分かれた班は合流することに。場所は宇都宮白楊高等学校の高根沢町農場です。ここでは、農家さんと生徒さんの交流会の場としてお昼にBBQを行うとのことです。

美味しいBBQを囲んでの農家さんからぶっちゃけトークも!?

高根沢町農場につくと、圃場説明グループとは別に農家さん達が、火おこしや野菜の準備をして待ってくれていました。(みなさん暑い中、火おこしお疲れ様でした)
生徒はグループに分かれると数名の農家さんが加わり、BBQが始まりました。いたるところから、食欲誘う香りが舞い上がると同時に「うまーい!」の声が四方八方から聞こえてきます。それもそのはず!豚肉は、上三川4Hクラブの黒澤牧場さん「やんちゃ豚」です。茄子や玉ねぎなどの野菜も宇都宮4Hクラブのみなさんの自慢の野菜です。生徒さんの表情を見るだけで、美味しさがわかります!

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美味しい料理を食べ終えると農家さんと談笑が始まりました。圃場では聞くことができなかった質問や、今回は見学できなかったトマト農家やいちご農家さんからも話を聞き農業について理解を深めていました。
楽しい時間はあっという間に過ぎさるもので、後片付けを協力して行い、学校に戻り交流会が幕を閉じました。

宇都宮4Hクラブ会長と宇都宮白楊高等学校先生のインタビュー

<宇都宮4Hクラブ会長 尾嶋さん>
生徒さんから積極的に質問があり非常に有意義な時間となりました。踏み込んだ返答をどこまでしてよいかも迷いましたが、真摯に返答させていただきました。自分がやりたいようにやり、失敗すればそれも経験だと私は思います。ただ、農業はやればやるほど難しく、身近に相談できる相手がいることは重要だと思います。宇都宮4Hクラブでは同じ作物を育てる農家もいるので相談がしやすいだけでなく、様々な農産物を育てる農家との情報交換ができるので幅が広がっていきます。また、農業振興事務所や宇都宮市役所の方々もフォローしてくれるので心強いです。今日の交流会を通して、一人でも多くの生徒さんと農業を一緒に盛り上げていければと思っています。

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※左側が尾嶋さん

<宇都宮白楊高等学校 農場長 橋本先生>
今回の交流会で生徒は大いに刺激を受け、農業に対しより前向きになったと思います。机上で農業を勉強することは大切ですが、実際に年齢の近い若手農家さんの話や仕事場を視察できることは、この先につながる貴重な経験だと思います。実家が農家なので継がなければならいといった内向きな考えではなく、「農業ってこんなに面白いんだ!」と前向きな考えで若い人たちが農業に取組み、応援してもらえればなと思います。ちなみに、この交流会を経験した卒業生徒が4hクラブさんへ入会しましたよ。

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※右側が橋本先生

交流会を終えて生徒さんの感想

<生徒Sさん>
私が印象に残ったことは、山口農園さんでの見学です。山口農園さんでは、米・小麦・大豆を主に栽培しており、玉ねぎなどの野菜も販売しているそうです。そのため、農業機械が多く、私の家にはないドローンやレーザーレべラーなどの機械を見ることができ興奮しました。山口農園の米栽培はプール育苗だとおっしゃっていました。学校でもプール育苗をやっているので知識が身につきました。約9000枚を栽培しており、冠水の時間が短縮することができ、よい苗に育つそうです。今回4hクラブに参加して農業をやるのに金銭面や栽培管理など様々な視点から見て大変さを感じました。私たちが当たり前のように摂っている食事も農家さんのおかげで生きていられるんだと感謝の気持ちが湧いてきました。経営者として、商品の安全性を泰一に優先し安心して消費者の手元に届けるという意識と責任感が大切だと思い知らされました。家業の後継者として、農業を発展させたいです。

<生徒Hさん>
私は今日この4Hクラブの方々と交流をして、最初に見学させていただいた、アスパラ農家さんに興味を持ちました。今までテレビなどでは、アスパラを栽培しているのは見たことがありましたが、実際に自分の目で見たことはなく初めてだったのでとても興味が湧きました。アスパラ栽培をしているハウスは、奥行きが80mもあり、正直とても手入れが大変そうだなと感じました。手入れについてどう思っているか聞いてみると、やはりとても大変で、何か使いたいものを入り口に置いてきてしまうと往復で160m歩かなくてはいけないから大変だ。皆もハウスを建てる時は、きちんと考えて建てた方がいいと苦笑いで話してくれました。私はこのことから、栽培方法のことはもちろんだが、自分に合った栽培の面積を考え、効率よく作業の出来る畑を作っていければと思いました。

取材を終えて

今回の交流会の目的を聞くと、「農場視察や4Hクラブ会員との交流を通して、専門知識や技術を深め、学生の農業に対する興味や関心を高めること」でした。カジル編集部視点ではありますが、この目的は達成されたと思います。生徒さんが若手の農家さん達と生きた交流ができることは、お互いにとってよい刺激と学びになると感じました。
生徒さんの目は輝き、これからの農業は楽しみです。そしてこの時期は農家さんは忙しいはずなのに、時間をつくり交流会を運営している宇都宮4Hクラブさんは凄いなとも思いました。土地を耕し、種を蒔き、栄養をあげ、芽がでる。今日の交流会から、農業の花が咲く日がくることを楽しみにしています。

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