こんちは。カジル編集部です。
取材前日、「台風13号直撃の可能性がありますが、明日は農作業お休みでしょうか?」と農家さんへ確認の電話をしました。すると、「農作業、休みではありませんよ!」とハツラツの返事がありました。
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農家名:大塚なえや
つくる人:大塚 佳延(よしのぶ)さん
大塚 文江(ふみえ)さん
農業歴:16年目/11年目
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栃木市岩舟町にある“大塚なえやさん”、取材予定よりも30分早く到着しました。理由は、台風13号が接近しているので不測の事態に備え早めに出発したからです。長靴が倒されてしまう程の強い風が吹いています。
「今日の取材大丈夫かな」と心配していると、
:「おはようございます笑!早いですね、でもよかった!畑に行きましょ!」
:「ヨシノブさん、おはようございます。今日はよろしくお願いします!」
:「車で畑にむかいましょ~」
大塚なえやさんは、大塚夫妻とヨシブノさんのお父さん、パートさんで農業をされています。太陽のように明るい雰囲気、これなら台風も避けていくかもとカジル編集部はそんな予感をしていました。
車で移動すること3分。
:「まずは長ネギの収穫をします!親父はもう作業しています!」
ヨシノブさん、さっと作業に着替えすぐに収穫作業に入りました。
:「台風が来る前に作業を終えないと収穫時期を逃すだけでなく収穫すらできなくなってしまいます!」
長ネギ畑にキリっとした緊張感が漂う……
:「帽子が飛ばされちゃぅいますー笑」
とフミエさん(ヨシノブさんの奥さん)の台風を吹き飛ばすような明るい声が聞こえてきました。
カメラを向けるとポーズを取ってくれるリップサービス。
:「アングルは、こんな感じがいいですかね?笑」
:「は、はい、イイ感じです笑」
笑いの絶えない長ネギ畑。でも土へしっかりと根を張った長ネギを抜く作業、見た目以上にハードです。
:「長ネギの収穫期間はいつですか?」
:「6月頃から2月いっぱいです!」
:「この時期の長ネギの美味しい食べ方はなんでしょうか?」
:「薬味だけでなく、野菜炒めにしても美味しいですよ!」
:「長ネギの収穫も終えました、次はきゅうりの収穫に行きましょ!」
:「きゅうりの収穫、よろしくお願いします!」
:「親父、あとよろしく!きゅうり畑に行ってくる!」
お父さんは収穫した長ネギを束ねる作業をしています。
車で3分。
きゅうり畑に到着。雨はまだ降っていません。
:「きゅうりは長袖でないと痛くて収穫ができないのでフーちゃんが収穫します!」
カジル編集部は何を言っているのかよく分かりませんでしたが、きゅうり畑で取材を開始するとすぐに分かりました、きゅうりの葉や茎にあるトゲが肌に当たるとめちゃくちゃ痛い。
:「カジルさん~いきますよ~」
と台風を吹き飛ばす明るい声が前方から聞こえてきました。
:「きゅうりの収穫期間はいつですか?」
:「7月終わりから9月中旬です!」
:「強風がくると、きゅうり畑はどうなってしまいますか?」
:「倒れてしまいますし、収穫しても出荷は無理でしょうね」
:「手が届く寸前今までの苦労が実らないことですか」
:「はい、それが農業です」
厳しい現実。農業は大変、暗い気持ちになってしまいそうでした。でも目の前にいる大塚夫妻がつくる畑からは自然と、大地の呼吸と命の息吹を感じました。
:「きゅうりの収穫も終えました!」
:「あっ~カジルさん、ちょっとちょっと笑」
呼ばれてきゅうりの収穫を終えたフミエさんの呼ばれてついていくと。
:「お花もつくっているんですよ~アスターです」
きゅうり畑の隣で一面にひろがる鮮やかなアスター。強い風にも負けていません。
:「カジルさん、では作業場へ戻りましょ!」
作業場へ戻るとお父さんとパートさんが作業をしていました。
パートさん、長ネギの袋詰めを高速で行っています。
お父さんは、収穫した長ネギの緑色(葉身)の部分を出荷に適したサイズへカットしています。大塚さんの息子さんもお手伝いをしていました(よくお手伝いしているそうです)。
そして、ヨシノブさんはきゅうりを袋詰め作業へ。きゅうりのトゲがぎっしり、採れたての証です。でも、フミエさんの姿が見えなくなってしまいました。
フミエさんの姿を探していると、見つけました!
:「あれ?フミエさん?もしや、DJですか?ミュージックスタート⁉」
:「DJフミエ笑、違いますよ~笑」
:「これはコンプレッサーの音から耳を守るためにつけているんです、あっラジオを聞いてますが笑」
:「コンプレッサー?何に使うんですか?」
:「カジルさん、よく見ていてくださいよ笑」
すると収穫して泥がついて長ネギが……
:「はい、これでキレイになりました笑」
台風を吹き飛ばす明るい声が作業場へ響きわたりました。一本一本手作業で長ネギをキレイにしているそうですが、長ネギの量を見るととてつもない量がありました……。その時、この長ネギを視聴者の方へ届けたいと思い、聞いちゃいました。
:「ヨシノブさん、長ネギをカジルのプレゼントへ提供してもらえませんか?」
:「いいですよ!」
:「わっーありがとうございます!どれくらいプレゼント頂けますか?」
:「20本?3キロ?5キロ?どれくらいかな?」
長ネギの計測を始めるフミエさん。
:「よし、10キロでいきましょ!」
:「ありがとうございます!長ネギ10キロ、プレゼント頂きました!」
― カジルプレゼント企画第11弾 ―
✨応募はこちらから
-2018年9月26日で締切となりました、たくさんの応募ありがとうございました-
:「長ネギ、きゅうりの他にどんな作物をつくられているんですか?」
:「とうもろこし、キャベツ、ブロッコリー、白菜、カリフラワー、ほうれん草、人参、大根、小松菜、おおよそ10品目です!」
:「出荷はどのよう行っているんですか?」
:「今は道の駅や直売所などを通して、消費者に対し直売をしています!」
:「直売オンリーです!」
:「直売オンリーですか!?」
:「14年程前から直売を始め、色々大変でした笑。3年間は試行錯誤を繰り返し。そこから徐々にお客さんに購入してもらえるようになりました!」
:「直売のパイオニアだったんですね!直売のやりがいはどんなところですか?」
:「美味いも不味いも、売れるも売れないのも常にリアルがあるところです!」
撮影時には編集部を気にかけてくれる優しさと強さのあるヨシノブさん、さらに農業に対して紳士に向き合う姿はカッコイイ。
:「カジルさん、良ければこちらへどうぞ!」
カジルはヨシノブさんの後をついていくと。
:「大塚なえやは、“なえ”も販売しているんですよ!」
:「おじいちゃんがカリフラワーの苗販売を始めたのがここで農業をするきっかけなんです!そして親父は元々は苗のブリーダーの仕事をしていました!」
春先がメインとなるので、この時期は苗を育てる期間だそうです。
:「大塚なえやをどんなふうにしたいと考えていますか?」
:「作物をつくる根をひろげていけるように農業と関りをもち、自分たちがつくる苗で作物をつくれる農家となっていきたいと思います。そして親父がブリーダーとして育んだ、改良千黒(かりりょうせんぐろ)をひろげていくことが使命だと思います!」
:「カッコイイ。ヨシブノさんとフミエさん、日本農業を前に進めてください!きっと二人の背中を見て農業頑張ってみよう、やってみようと思う人がうまれてくると思います!」
:「大塚夫婦、今日はありがとうございました!」
:「カジルさん、ありがとうございました!」
:「ありがとうございました、雨降らずに良かったですね笑」
【取材を終えて】
台風が接近している中いつも以上に忙しいにも関わらず取材を受けてくれた、大塚なえやさん。収穫作業が終える前に台風が来てしまうと全てが水の泡となってしまう中、 ヨシノブさんとフミエさん取材に応じてくれました。もし私が逆の立場だったら延期にし、自分の畑作業をしていたと思います。自分さえ良ければいいという考えではなく、 栃木の農業そして日本の農業を常に考えているから、自然とできることなんだと思います。そして、お二人は仲が良いという単純な言葉ではなく、二人の間には互いを尊敬して いるんだろうなと取材を通して見えてきました。大塚なえやさん、応援しています!