カジルライターの小百合です。結婚式のお楽しみと言えば、なんと言っても料理!幸せな新郎新婦を眺めながらのコース料理は、最高に美味しいですよね♪
でも、多くの食材を扱う結婚式場ってフードロスが多そう……。一体どのように食材と向き合っているの?人気結婚式場「ヴィラ・デ・マリアージュ宇都宮」の船山さんに伺いました!


ヴィラ・デ・マリアージュ宇都宮 副支配人
船山 侃人さん
お蕎麦屋さんから始まった結婚式場
船山さん、はじめまして!
よろしくお願いいたします!
早速ですが、こちらはどんな式場ですか?
南フランスの街と結婚式をコンセプトにした結婚式場です。ウエディングベルやタイル、土は、現地フランスから船で持ってきたものです。本場フランスの空気を感じながら、大切な方と幸せな時間を過ごせる空間です。
敷地は8,000坪と非常に広く、チャペルが2つ、邸宅型の会場が4つあります。栃木県の結婚式場では唯一、打ち上げ花火を上げることもできます。
スケールが大きい!
当式場は、婚礼とレストラン事業を展開する「プリオホールディングス」の一施設です。「ヴィラ・デ・マリアージュ」ブランドの一号店として2000年にオープンし、今年で21年目になります。
実は「プリオホールディングス」は、今から67年前に、群馬県伊勢崎市の「大村」というお蕎麦屋さんから始まりました。今では、長野・埼玉・栃木・東京にも進出し、婚礼事業を中心に幅広くビジネスを展開しています。
食に対する思いや、おもてなしを重んじる気持ちは、お蕎麦屋さん時代から変わりません。
お蕎麦屋さんが結婚式場に!それは、食に強いですね。
食だけでなく、美容もとても強いんです。世界一綺麗な花嫁さんを創造するために、お一人お一人に専属の美容スタッフ「ヴィザジスト」が付き、美容面をすべてサポートしています。
通常の式場は、ドレス選び・メイク・ネイルなどをそれぞれ別のスタッフが担当しますが、当式場はドレス選び・ヘアメイク・ブライダルエステ・ネイルなど、結婚式に必要な美のコンテンツをすべて「ヴィザジスト」一人が担当します。
もちろん、式当日もプランナーと一緒にずっとお付きするので、どの瞬間もベストな状態でお過ごしいただけます。
それはスゴイ!すべてを一貫してできるスタッフさんって、相当技術がありますね。
そうですね。パーソナルカラーやボディコンサルティングの資格も保有しているので、新郎新婦様に似合う衣装を科学的に診断してご提案できるんですよ。
頼もしい!安心してお任せできますね。
普段使いできるレストランを併設
当式場は、レストランも併設しています。コロナ前は、結婚記念日やイベントディナーの利用が多かったのですが、コロナ以降は普段使いの方が多くなりました。
と言うのも、私たちは食に自信があったので、昨年(2020年)の夏から「日常的に使えるレストラン」として体制を整えたんです。ランチとディナーはもちろん、アフタヌーンティーもご提供しています。
優雅~♪カジルとの交流は、どのように始まったのですか?
昨年、レストランでシチリア料理のイベントをすることになり、栃木県産の食材を使うことにしたんです。料理長や私が地域の農家さんを訪問して食材を集めることになったのですが、その一部の農家さんをカジルさんに紹介してもらって。そこからですね。
ふむふむ。
1年間で40農家さんくらい訪問しましたね。農家さん以外にも、ベーカリー、乳製品を扱っている店、コーヒーショップにも行きました。色んな生産者さんや食材との出会いがありました。
以前から栃木県の契約農家さんはいたものの、正直“ただ使っているだけ”でした。しかし、実際に農家さんから作物への思いを聞いてからは、素材本来の味を最大限に活かした料理ができるようになりました。
いちご、メロン、レモン、ゆず、アスパラ、トマト、さつまいも、しいたけ……。本当にたくさんの県産食材を使っています。
栃木の食材を使ったシチリア料理って、新しい!
生産者さんがレストランに来てくださることもありますが、皆さん「自分たちの食材がこんな風に活かせるなんて!」と喜んでくださいます。それ以外のお客様も、「シェフの手にかかると、いつもの食材がこんな風になるんだ!」と、驚かれますね。
私たちはこれからも地域に密着し、地域に愛される結婚式場になりたいと思っています。そこで、コロナ前は3割だった県産食材の使用率を9割まで増やしました。どうしても魚は難しいのですが、それ以外はほぼ栃木県産の食材を使っています。
ドレスはリメイクも!素材と思いを次世代へ
御社は、SDGsの事業認定を取得されたんですよね。
はい。国連が定めた17の目標のうち、以下6つの認定を取得しました。
【12】つくる責任、つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保するため、素材廃棄の削減およびエコ素材の活用を目指す
→リメイクドレスを普及し、資源の再生利用の重要性、環境保全への意識改革を図る
【3】すべての人に健康と福祉を/【5】ジェンダー平等を実現しよう
女性の能力、活躍を促進し、ジェンダー平等を達成する
→女性管理職比率を高め、女性経営者の企業とのパートナーシップを活性化/レディースクリニックとの提携により、効果的な健康・保健サービス利用を可能にする
【8】働きがいも経済成長も
・家族農家・漁業家の生産性向上により、高い経済生産性を達成する
【4】質の高い教育をみんなに/【10】人や国の不平等をなくそう
・人や国の不平等をなくすため、外国人スタッフの積極的雇用および能力強化を実現する
→各セクションに特化した外国人の採用・自社独自の研修の実施
なぜ、SDGsの事業認定を受けたのですか?
私たちは事業で多くの商品や人財を取り扱う中で、お客様はもちろん、スタッフもハッピーになる取り組みをしてきました。その取り組みを改めて振り返り、社会的に認定されることで、私たちのことを世の中に知ってもらいたいと思ったんです。
例えば【8】は、地域の農家さんや経済を活気づける取り組みを、地域の人々と一緒にやってきた認定です。もちろん、これからも取り組んでいきます。
【12】の「つくる責任、つかう責任」は、食品だけでなくドレスもです。ドレスはどうしてもトレンドがあるので、ずっと使い続けることが難しいのですが、ただゴミにしてしまうのは勿体ないですよね。そこで、今風なデザインにリメイクしたり、お子様用のドレスに仕立て直したりして、次につなげているんです。
ドレスのリメイク、幸せが受け継がれて素敵ですね!
変形野菜だって美味しく活用♪
御社は多くの食材を扱いますが、フードロス対策はしていますか?
はい。一般的に式場やレストランは見栄えが良い野菜を仕入れていますが、私たちは変形野菜も積極的に仕入れています。変形でも味は変わりませんし、農家さんの思いが十分詰まっていますから。
特に、スープ、ソース、ピューレなど、形が関係ないものには変形野菜を積極的に使いますね。素材の味がしっかり感じられますから、喜んで使っています。魚の頭や骨、お肉の筋からも出汁を取って、スープやソースに使っています。
食材を余す所なく使い切っているんですね♪
最近料理長が、使い終わった油からキャンドルをつくるチャレンジをしているんです。会場で使ったキャンドルのケースに流し込んで、型を取って。
油って、処分するにもお金がかかりますし、捨てたら環境にも良くないですよね。シェフたちもそういった部分への感度が高く、自らつくっているんです。
シェフ自ら!実際に使っているのですか?
試しにちょっと置いてみています(笑)。もちろん匂いが出てしまうと良くない場所では使いませんが、影響がないシーンで使っていますね。結婚式場は、キャンドルをたくさん使いますから。
新郎新婦が参加する「自社ファーム」を構想中
様々な取り組みをされていて、感動しました!
昨年の取り組みを通して、皆さんに生産者や食材との輪を広げていただきました。だから、これからは、私たちがそれらをつなげる事業をしたいと思っているんです。弊社とつながりのある学生さんや未来の料理人と一緒に、お付き合いのある農家さんの野菜を使って、新しいレシピを考案したり、学生レストランなどのコンテンツをつくったりしたいですね。
可能性がいっぱい~♪
それと、会社の畑を持ちたいと思っていて、話を進めている最中なんです。食に興味がある新郎新婦様がとても多いので、式でゲストに提供するメニューを食材から一緒に考えたいんです。
新郎新婦ご自身が種をまいたり収穫した野菜を式の料理に使えたら、とてもステキだと思いませんか?
ステキ~!「ヴィラ・デ・マリアージュファーム」をつくるんですね!
そんなイメージです(笑)。コロナ以前は流行りを意識した演出が多かったのですが、コロナ禍ではよりパーソナルな色が濃くなり、新郎新婦様やご両家のストーリーに紐づく演出が増えました。コロナ禍でもご招待したいゲストは、新郎新婦様にとって本当に大切な方々だからだと思います。
だからこそ、料理もただ美味しいものを出すのではなく、召し上がるゲストを思って、食材から考えられたらと思っているんです。
そんな思いがこもった料理を食べたら、一生心に残るだろうなあ…♪
今は特に結婚式を挙げるかどうか迷う方が多いですが、結婚式は絶対に挙げた方が良いんです。ご招待したゲスト全員がお二人の人生の応援団になってくださるし、結婚式だからこそ伝えられる思いもありますから。お二人のこれからの未来にとって、プラスなことばかりなんです。
盛大な披露宴をやらなくても、ご家族だけでお祝いしたり、写真だけ撮ったり、色々なスタイルがあります。お二人にとってベストな形を選択されると良いですね。
「結婚式はこうでなきゃ」という概念を取り払って、まずは私たちにお気軽にご相談ください。「やろう!」と一歩踏み出していただければ、そこから先は私たちがお手伝いいたします!
何もかもが頼もしい……!
もちろん、地域の皆さんを食で笑顔にする活動もしていきたいので、結婚式に限らず、食に関するご相談もお待ちしています。
結婚式場って、結婚式以外は来ちゃいけないイメージがありますが、全然そんなことありません。もっと地域の皆さんにとって身近な存在になり、食や人について一緒に考えたり、発信したりしていきたいですね。
今日一日で、結婚式場が急に身近な存在になりました!
取材を終えて
「ヴィラ・デ・マリアージュ宇都宮」の船山さんにお話を伺いました。いかがでしたか?フードロスへの取り組みに、地域に密着した活動……とても温かみのある式場さんでした。近くに住んでいる皆さん、ぜひ栃木の食材を使った料理を食べに行ってみてください♪船山さん、お忙しい中ありがとうございました!
▼ヴィラ・デ・マリアージュ宇都宮
https://villasdesmariages.com/location/utsunomiya/
TEL:028-651-4122
受付時間 :平日/11:00~20:00、土日祝/10:00~20:00
不定休
栃木県宇都宮市西原町3558-1
この記事を書いた人
「住・食・人」がテーマのインタビューライター。今は埼玉県在住だが、以前栃木県に住んでいたことがあり、今でも頻繁に足を運ぶほど栃木愛が強い。趣味はトレーニング、水泳、ダイエット(再コミット中)、料理(修行中)。人とお酒が大好物。農家さんの様々な面を伝えるため、取材を通して農業について勉強中。
Instagram:@an_sayu




